2014-02-20

八ヶ岳スノートレイル縦走-前編-/八ヶ岳山域【長野県】

日程:4DAY/単独/2014年1月下旬
天候:2日目まではおおむね安定、3日目やや不良、4日目晴れ。
アクセス:JR特急あずさ号/JR茅野駅下車。アルピコ交通バスにて美濃戸口より入山。
※バスは季節運行あり要確認を。
Course MAP

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【行程】
DAY1:美濃戸口(バス停)~行者小屋
DAY2:行者小屋~赤岳~橫岳~夏沢峠
DAY3:夏沢峠~根石岳~天狗岳~黒百合ヒュッテ
DAY4:黒百合ヒュッテ~渋ノ湯

……雪の八ヶ岳。
ここ数年けっこう通いつめてる山域です。比較的ゆったりした山々が多い北八ヶ岳エリアと岩峰が連なる南八ヶ岳エリアと、非対称な表情を見せる八ヶ岳。秋に小淵沢から南北にかけ縦走した経験はありましたが、雪ではどんな表情を見せてくれるのか気になって今回歩いてみました。
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DAY-1

入山は美濃戸口までバスを利用。冬山シーズンは月ごとに運行スケジュールが違うので要確認を。

美濃戸口にある八ヶ岳山荘。ここはスタート前の荷物の整理にはもってこいな所。
飲食も利用できるので身体を温めてから歩き始めるのもいいかも。初日はここから行者小屋まで歩きます。

1時間そこそこで、ふたたび山小屋が出現する。山登りじゃなく本当にアクセスで歩いて行く感じ。
阿弥陀岳も正面に見え気分があがるスポットで、個人的には大好きな景観。

鹿の群れに遭遇。近くで写真に納めたいので逃げないでくれと願っても案の定駄目でした。

美濃戸山荘で北沢か南沢の分岐にさしかかります。自分は今回、行者小屋で幕営なので南沢へ。

日差しが強くてまるで春の日差しのよう。樹林帯の冬山ハイクは快晴ならば温かく感じられる場面。でも、荷物も背負ってるしアプローチ段階であんまり大汗をかきたくないのが本音。

去年歩いた時はラッセルで苦しめられた南沢だけど、今回は踏み後があり快適に歩けた。
やっぱラッセルしないのは楽ちんです。

樹林の中を沢伝いにそこそこ歩くと、ようやく視界が広がる場所に出ます。

一泊目の宿泊場所は行者小屋のテントサイトに。テントサイトと言っても冬山では雪が積もっており、自分たちで雪かきをして整地しなければテントを設営できなかったりするので何かと大変(汗)。
さらに小屋は土日以外は無人らしいのでこの日も管理人さんらしき人はおらず、同じように幕営スタイルでやって来ている人達が自分も含め数名いるのみ。
自分は今回、荷物の軽量化重視のためにツエルトで寝ました。

晩飯はカレーライス。今回は最近マイブームである無印良品のカレーシリーズを食べた。
カレーは山飯の中でも上位ですけど、これは肉など具も大きく本格的なつくりで本当に旨い。


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DAY-2

2日目も天候はそこそこ安定した感じで朝を迎えた。冬山はただでさえ不安定要素が多いのと、今回の歩くコースは赤岳から橫岳の縦走なので冬の八ヶ岳では少し難しいコースのひとつ。天候ひとつでもいつも以上にけっこう敏感になっています。

これが行者小屋。雪の多いタイミングでは小屋がもっと埋まることもあるので、基本的には土日営業っぽいです。
小屋の方が幕営料の集金に来るかなと待ってたんですが、無かったのでそのままに。

さぁーぼちぼち行きますか!後日発覚したことですが手前のテントが知り合いのだったりする。なんてニアミスなんでしょう(笑)。

ほどなくして看板が現れます。どうやら阿弥陀との分岐は先のよう。

行者のテン場からも阿弥陀は顔を出すけども、やっぱり近づいていくと迫力の姿を見せてくれる。
これは阿弥陀岳の北壁側から撮影。

今回は硫黄岳方面の北側に縦走するので、赤岳へは文三郎尾根からの登りを利用し取り付く。
ここからが急な登りに変化します。雪のために完全に登山道は埋まっており、夏道と比較してもより斜度が増す。状況により鎖なども顔を出すので、アイゼンを引っかけないように注意しながら進みます。アイゼンは確実に取り付けてから登り始めたほうがベターなよう。

ある程度登ってくると強風地帯に出たようで、風の音をすごく感じるようになりました。
なんとなく赤岳が叫んでおるようにとれなくもない。でも風以外は無音の世界。

大同心・小同心がある橫岳の岩峰群。

これは赤岳主稜線。アルパイン(※一般登山ではなくザイル登攀するスタイル)のルートのひとつ。
この日もトライするパーティーが一組。

文三郎尾根からはコースもはっきりと確認できた。文章で書くと簡単に思えてしまうけど、赤岳までならアイゼンとピッケルを的確に使えれば登れる可能性は高い。でも雪山初心者だけで来るのはオススメしない。そんな感じのコース。

文三郎尾根を登ってから赤岳の山頂まではこんな感じでかなりの確率で岩も露出してくる。
もしミスって転倒するようだと滑落する場所は当然多いので、アイゼンとしては前爪がある10本以上のタイプが使いやすく且つ登りやすい。

赤岳の山頂(標高は2889m)に到着。行者小屋からは距離も短く3時間もあれば到達する。

遠くには富士山が裾野を大きく広げる秀麗な姿。

権現岳と南アルプス。山の対比もいい。

こうして赤岳には何回も登りに来てるけど、いつも山頂からの景色は見えなかった。今回こうして見れた事は幸運だろうし嬉しい。良き思い出になりそうです。

赤岳頂上山荘。
冬場は小屋閉め期間、機会があれば泊まってみたい小屋のひとつ。なんか頂上で一晩を過ごすのって憧れがある。


こうして縦走は続いていきますが、とりあえず前編ではここまで。
引き続きスノートレイルを歩きます。

☞八ヶ岳スノートレイル中編レポートはこちらよりチェックしてください
☞八ヶ岳スノートレイル後編レポートはこちらよりチェックしてください


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【 COUSE TIME 】
DAY-1/美濃戸口~行者小屋
美濃戸口(150分)行者小屋にて幕営。
○2時間30分※歩行時間のみ表記

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