2014-09-25

信越五岳トレイルランニングレース参戦記-後編-


日程:2DAY/単独(ペーサーなし)/2014年9月14日~15日開催
距離:110km
天候:晴れ。
Course MAP

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前日の様子は前編に書きました。

後編はレース当日の内容を中心に。

起床したのは4時前。セットしたアラームにまったく気づかず物音で起きることができた、寝坊遅刻するという最悪のアクシデントは避けられた(苦笑)。そんな感じで会場で朝食を食べれたのがスタートの30前くらい、サンドウィッチは諦めてトマトスープと腹持ちの良いおにぎりをいただいた。

スタート会場は斑尾高原レストランハイジ。
スタートゲート前よりトップ選手達。

で自分。序盤はゆったり走るつもりなのでスタート位置は後ろ寄にすることに。ドタバタしたせいもあり緊張感が全然無い(緊張する余裕すらない?)、本当にこれから始まるの?って心境。

スタート直後は当然団子状態。だらだらと上り坂になっていても皆さん走ってました。と言う自分は早歩きで進む。
どんどん追い抜かれ気づけば最後尾に。当然レースレベルを考えればこれは想定内です。
これぞ序盤では“脚を使いたくない使わないぞ”作戦。

走り出して今日は体調的には良さそう。ただ、練習の影響で股関節の痛みが残ってしまい不安要素に。
前日ニューハレのブースで対応策をアドバイスしてもらい何とか誤魔化す。後は朝食が消化不足で横腹の痛さとして影響したけど、これはしばらくすると収まった。

スタート直後にもう一度会場近くまで戻ってくるコース取りなので、なんとハイタッチでお出迎えをしてくれました。
これには感動しました。

朝がすごく綺麗、素晴らしい。

1A(エイドステーション)までの林道走の部分。アスファルトの舗装も少しあり。

途中に石川弘樹さんと再会。ランナーに絶えず声をかけて励ましていた。

2時間少しで1A(距離/18.5km)に到着。ペース的には1時間9kmほど。
内容はお水、クエン酸飲料、バナナ、チップスター。ここで早速バナナをいただく。

斑尾山への登り。渋滞とまではいかないゆったりとした流れ。立ち止まる人は皆無。一般層でも登りはしっかりと進めるペースだった。

3時間で斑尾山頂に到着。せっかくなので記念写真。ここから2Aまでは一気の下り区間が続いてゆく。

2Aまではクッション性は良いけど想像以上の急な斜面でした。距離を考えなければ飛ばすと気持ち良い広々としたトレイル、でも早々と膝に来るのだけは避けたいので焦らず小股でブレーキ気味に駆け下りた。

3時間30分前後で2A(距離/23.9km)に到着。ここで始めてトイレを済ませました。

エイドではジャガ芋と巨峰が加わった。巨峰は2A限定のようです。どれも旨すぎました。
って、自分で大福とか柿ピー、チョコまで持っているけどエイド内容が充実してあって早くも必要ない様になってきた。
普段もあまり補給しない方なので最中はジェルだけで前然しのげそうです。

2Aと袴岳のあいだで舗装路が少しだけ出てきた。当然普通に車も通るので、置いてあるコーンの幅より広がって走れないので順番通りに進む。かなり序盤なので飛ばしてもあまり意味がない区間と思います。

10kmごとに距離の看板が設置してあります。まだまだ先は長い。

スタート後5時間手前で3A(距離/38.5km)に到着。
ここは応援ポイントにもなっていて大勢の人出で賑わっていた。

エイドでは冷やしトマトが旨そうです。

3Aから4Aまでの区間が一番きつかった。この写真はその区間でもある関川沿いを走っている最中に撮影した一枚。
けっこう堅さのあるほぼ平坦な舗装路がだらだらと続いた影響もあり、痛めていた股関節痛が一気に加速してしまい中々走れない。案の定かなりの数のランナーに追い越された。焦っても仕方ないので歩きと決めリカバリーに努めた。体力は余ってるのに脚が追いついてこない…悔しいもんです。

お花畑が綺麗。

黒姫高原での4A(距離/51.5km)に到着。笹寿司がめちゃくちゃ旨かったです。
ここはレースの第1関門で、制限時間は開始から関門到着10時間が締め切り。自分は1時間半以上お釣りを残してエイドに到着。
しかし関川での区間での失速がなければもう少し余裕を持ってエイドに入れたはず。

梅干しは酸味と塩分があり最高な補給食。ここから先はずっと梅干しを食い続けた。もちろんバナナも最高でした。

走っていて心地よい景色が目に入ってきます。ながい距離を進むけども、こうした一瞬の出会いが疲れた体を癒やしてくれるようでリフレッシュできる。

この距離の看板を見たときは思わず叫びました(笑)。残り50km・・・折り返しがこんなに嬉しく感じるなんて。

5A手前の笹ヶ峰牧場周辺の風景は天気がよかった事も重なり最高でした。
すごくクッション性があるトレイル区間で、股関節痛が少し和らいでくれ再度頑張るきっかけになった区間でもあります。

そして5A(距離/66.6km)へは16時45分前後に到着。
ここのエイドではドロップバッグシステムで荷物の積み替え交換が可能。自分のゼッケン番号を知らせるとスタッフの方がバッグを渡してくれ、何やらピットイン状態みたいで面白い。

やはりスタート時に携行してきた食料が余ってしまったので、ここから先はプラン変更でジェルとリカバリー系だけに減らします。靴は予定通りノースフェイスに履き替えた。
服装もノースリーブで走ってきたので、気温も少しづつ下がり始めていたので、長袖に着替えた。防寒着は夜間走に備えウインドブレーカーを持つことに。

この急階段は気分的に少し大変でした。

ナイトランは耐久レースでは付きもの。
ここではヘッドランプの明かりが頼りになる。足下も暗くなり不安定になるので自分は腰にもランプをつけ、足下をそれで照らしながら夜間の対策としています。
しかし今回はメインでもあるヘッドランプの電池交換の際に電池を探せず、悩んだ結果、腰の明かりだけで進みました。その事に気づいてからは訪れるエイドごとに電池の予備がないのか聞く始末に。なんとゆう不覚で致命的なミス。

7A(距離/87km)には20時過ぎに到着。ここまで長袖、しかし休憩すると一気に体温が下がったのでウインドブレーカーを着込んだ。気分的にはここで長めの休憩を取りたかったけど体温低下と膝回りが冷えてきたので、休憩は10分程度で切り上げました。

8A(距離/92.3km)ではここ限定の温蕎麦をいただく。これが冷えた体に染みこみすぎるほど力に変化。
ここ8Aが第3関門で制限時間18時間30分。自分は1時間ほどお釣りを残せた。
わんこ蕎麦みたいに何杯でも食べたかったけど、おかわりは一杯だけに。あと梅干しと一緒のお粥も最高でした。

ストーブも点いており冷えた下半身を温めれました。そして電池もPETZLのアシスタントエイドが設置されてあり電池をいただけました。これも最高にありがたい。

股関節の痛みはスタートからのお付き合いなので、ここまで来ればある意味どうでもよくなり諦める事ができた。
脚力も残っており、いい感じで8Aを終えることができ再度モチベーションを上げれました。

レース中にも各ランナーの話題の的になっていた瑪瑙山への登り区間は確かに核心部のひとつ。2度かなりの直登を越えなければ山頂部に着かないので、90km以上走ってきた人間には精神的にも体力的にも確かに追い込まれる要素はかなりある部分だった。
ランナー達の足取りも相当に重くペースでかなり落ち込む人がほとんど。しかし時計の針を見るとゴール制限時間まで大丈夫な感じもする・・・ここで一気にペースダウンしても間に合いそうな感覚も確かにする・・・
そんな葛藤が心を支配する・・・

でも、今回は自分を出し切る想いで参加したので、ここで甘える訳にはいかない!
登りも苦手ではないので、瑪瑙山まで走る事はできないけど、できる限りの早歩きでペースアップ。かなりの数のランナー達を追い越した。

瑪瑙山。
ここからは登りの直後に関わらず一気に急坂の下りへと変化する。ダメージ的にはかなり大きそうだけど何とか温存できていた脚力を使い引き続きペースアップ。

再度距離の看板を見てここでも絶叫!!時間も1時前。残り10km、ゴール制限時間も2時間以上残すので、よほどの事がなければ時間的には間に合う。すでに感動がじわりじわりと込み上げてくる。
でも、もう終わりになると考えると寂しい感情も出てきて、気持ちの整理がつかない複雑な気分になってしまった。

瑪瑙山から先にほんの少しの登りがあるだけで、ゴールまでは平坦か下り基調。本当に最後まで“走れる”コース設定でした。
110kmなんて距離は誰が聞いても長いだろうし信じられない距離に感じるのが普通だと思う。今回これで耐久レースは3回目。実際に参加してみると応援してくれる方が夜間になってもいてくれて、もの凄く力になるんだなと実感。
おそらくこういうのが無ければどこかで心が折れてしまい走りきるのは難しいとも感じます。

ゴール。
こうして参加者一人一人のためにゴールテープを掲げてくれる大会側の粋な計らいも、信越はホスピタリティの高い大会、本当の意味でのランナー目線を実現してくれている大会なんだなと強く感じた。
完走できた事ももちろん嬉しい事なのですが、素晴らしい大会に参加できた事も同じくらい嬉しい。

結局、21時間9分25秒でゴールできました。男子では332位、総合では400位。
密かな目標であった20時間切りには前然到達できなかったけど充実感はかなり。よくウルトラトレイル系は『まるで旅のよう』と評されるのですが、まさにそんな感覚に近いものがあります。
全体的にも自分自身予想以上にしっかりと走りきることができたのが大きな収穫でしょうか。ペース的には他人と話ができるぐらいのスピードで進みました。下りではタイムを稼ごうと、もう少し速いペースを刻みました。もっともっと体をつくれば完走タイムも短縮できるし、もし再度出場できれば今回出てきた課題を修正できるはずなので。今回の実質走り込みの準備期間は1ヶ月半でした。やはり一度でもこうして完走できれば対策も立てやすいなと確信しました。

レース後の豚汁をもちろんいただいた。おかわりも。

優勝は2013UTMFの優勝者の原さん。タイムは10:17:17。1時間で10kmペースなんて早すぎる。
女子の高島さんも11:56:24で総合なんと11位!こちらも男子並みの走行タイムで早すぎる記録。女子2位を1時間以上引き離す独走劇で幕を閉じた。

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レース翌日(正式には終了日当日)に妙高赤倉体育センターで表彰式。
走り終わり宿に着いたのが4時過ぎ、そこからお風呂に入り寝れたのが6時過ぎ、宿の朝食が8時なので、レースに負けないくらいハードスケジュールでした(泣笑)。気分的には興奮気味だったので大丈夫だったけど、考えたらまともな休息を取れていない。えーいとヤケクソ気味でご飯を4杯おかわり。

会場ではカレーやフルーツやデザートが食べれた。もちろんここでもおかわり。信越は走りまくり食いまくりである。



信越五岳。またぜひとも参加したい。
とりあえず来年のUTMFのエントリー資格で必要なポイントは獲得できたので、引き続きトレラン力を上げていきたい。
今回はレースの楽しさをすごく感じられた。完走するには楽ではないけども、走りきれる自信がある人は参加する価値はかなり高い大会だと思います。


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【 COUSE TIME 】
■各関門通過タイム
第1関門(4A黒姫)/8:42:29~第2関門(5A乙見湖)/12:04:19~(6A大橋)/14:46:07~第3関門(8A戸隠)/17:31:30
■完走タイム/21時間9分25秒(総合400位/男子332位)

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